ティファールのフライパンを使って一ヶ月経過したので感じたメリットとデメリットをレビューします。
結論から言うと、取っ手が取れるのは食卓が変わるレベルで素晴らしい。けど最低一個は取っ手が取れないフライパンを置いておくべき。
レビュー対象商品と特徴
今回購入した商品はこちら、インジニオ・ネオ ブルゴーニュ・エクセレンス。
長い商品名です。ティファールは使いやすいフライパンとは裏腹に、公式サイトが死ぬほどユーザーアンフレンドリーなのですが、ざっくりまとめると、「エクセレンス」シリーズがIHも食洗器も対応しているやつで、ついてないやつが直火専用です。ブルゴーニュは単に色を指してますが、バリエーション的にもブルゴーニュカラー以外やる気はなさそう。
ティファールは公式ショップで買うと結構お高いのが欠点ですが、楽天で9点セット(フライパンx2、鍋x2、蓋x4、ハンドル)15000円があったので今回はそれを購入しました。
メリット
取っ手が取れる
最大のメリットであり、ティファールのキャッチコピーであり代名詞でもある、「取っ手が取れる」
これはフライパンの意義や運用を再定義したと言っても過言ではありません。
そもそも取っ手って、使う頻度はそんなに高くない上に、結構かさばってて、洗う時もしまう時も邪魔なんですよね。使うシーンといえば炒めものなどで具材を宙に浮かせたりひっくり返したりといったところですが、それをするならむしろ中華鍋のが向いています。
また、フライパンの把手を正面に向けていると、
床に何かが落ちる ↓ しゃがんで拾う ↓ 立ち上がるときに取っ手をひっかける ↓ アツアツの食材を頭からかぶる
というトラップが発動します。基礎疾患のない若く元気な人でもある程度の面積を火傷すると、炎症なりそこから侵入した細菌感染なりで命を落とします。ERにいた頃、そういう症例を知ってからは、調理中の粗忽さを自覚しているので絶対に取っ手を手前にむけてないのですが、そうなると取っ手がキッチンの邪魔をするんです。
取っ手が外せるフライパンは、そもそも、取っ手をつけずに料理を始めても良いんです。最初は横着してるみたいな後ろめたい気持ちがありましたが、調理スペースに取っ手がないというのは本当に快適ですし、皆さんもこれやりましょう。
料理中に取っ手をひっかけて火傷する人が一人でも減ってくれたら嬉しいです。
大皿として機能する
さて、無事に調理が終わりました。次にどうしますか?そう、ここではじめて取っ手の出番です。ワンタッチで取っ手をはめて、そのままダイニングへ運び、鍋敷きの上で取っ手を外す。
はい、どう見ても皿です。なんかオシャレなイタリアンで出てくるアツアツの金属のプレートです。
何が良いって、まず皿に移し替える時の温度低下を気にしなくていいし、フライパンが熱いから食事中も温度が下がらないし、皿に移し替えないから洗い物も少なくなります。
そして一人暮らしの時にやりがちな、フライパンを直で食卓におく不作法さもありません。濃いワインレッドの外面はフライパンとしては地味ですが、食卓においても馴染んでいるのはさすがとしか言えないカラーセンスです。
フッ素コーティングをはがさないよう、取り分けはシリコン製スプーン(別記事参照)などが必要になりますが、この製品はフライパンというキッチン用品に必要な部分だけを残し、調理から配膳までの作業を再定義した、とても賢い製品だな、と考えます。
温度確認マークはフッ素加工商品と相性がいい
ティファールのお家芸の温度確認マーク
最初は不要と思ってたのですが、これは以外とバカになりません。調理する上で予熱が必要な事はしばしばありますが、フッ素加工フライパンは空焚きするとコーティングが痛みます。ですので予熱の時間のとり方で日和ってしまいます。でもこの温度確認マークがあればそのマークが変わる温度が適切な予熱の温度なので、食材投入のベストタイミングがピッタリわかり、それにより日和って不十分な予熱だったり、時期を逸して過熱してしまう事を避ける事ができます。
取っ手の安全性(キッチンからの移動)
取っ手が取れるシリーズはジェネリックもあるし、少なくともサーモスとティファールは角度こそ違うものの、非公式ながら互換性があるとされています。ですがキッチンから食卓への移動などのときを考えると、万一外れたときの心理的(ごちそうがおじゃんになった)肉体的(火傷)時間的(壁や床に飛び散った料理を拭く)金銭的(凹んだ床の修繕費)ダメージが大きすぎるので純正品のが安心です。日常生活はすぐジェネリックにする私でもハンドルは純正品にこだわろうと思っています。
非公式の使い方で事故っても話題には上がりにくいですが、純正品で事故があればたいていはメーカーに連絡が行くし、それによりメーカーも告示や回収する事になるので、そのニュースがない以上は安心して使い続ける事ができます。サーモスのハンドルも意味不明な安さというわけではないので、この価格差ならティファールにはティファールのハンドルを使い続けようと思います。プリンターを安くしてインクを高く売るビジネスモデルに似た匂いを感じますが、ハンドルもそうそう壊れるものではないので許容範囲です。
デメリット
ティファールの良くある誤解や使ってみたデメリットの方は意外と世に出てないのでこちらも公平にシェアしておきます。
重ねられない
オシャレな見せる収納とか、重ねられるから省スペースな収納を謳ってるんですが、はっきり言います。重ねません。梱包時もしっかり保護されて届きます。これは単なる過保護で本当は重ねても大丈夫かもしれませんが。ただ、普通に考えて金属の調理器具がNGなのに、フライパンの内側に一回り小さいフライパン重ねて置いたらコーティング禿げますよね……?
とはいえ取っ手が外れせるというのは収納する上でめちゃくちゃ便利なので、無印のファイルボックスを置いて、そこに立てて収納してます。そうしておけば引き出しの中でガチャガチャ動かないですし、擦れるとしても側面なので焦げ付きには影響しにくいです。
重ねて「見せる収納」にするのは憧れますけど、重ねると真ん中の取るときに効率悪いし傷つけそうだし、そもそも毎日使うものなので出しやすさを優先すれば重ねるという選択にはならないんですけどね。
アオリが難しい。
これはティファールに限らず取っ手が取れるフライパンに共通する宿痾なのですが、チャーハンを空中に浮かせたり、オムレツをひっくり返すのに慣れが必要です。
取ってがつけ外しできて、かつ安定するという構造上仕方がないのかもしれませんが、フライパンの底面からかなり急な角度で側面が立ち上がります。中華鍋のような緩やかな角度だとフライパンを振ったときに側面にぶつかった食材が側面を駆け上がって宙を舞いますが、急な角度だと普通に振っただけでは側面にぶつかってそれで勢いが死んでしまいます。
これは本格的な鉄のフライパンで一緒なので、プロになりたきゃこれでちゃんとひっくり返せるようになれ、という事なんでしょうかね。そういう意味では自炊初心者向けの、鍋にも中華鍋にもなる一個で何役もこなせるエヴァークックとかの万能深型フライパンのほうが気持ちよくひっくり返せます。
また取っ手が外せないフライパンと比べると、フライパンと取っ手の接続部はどうしても弱いので、まだ十分に水気の飛んでない炒飯などを振るには少し不安が残ります。
結論
ティファールのフライパンは、2本目以降のフライパンとしてマストバイです。理由として収納がかさ張らず、また焦げ付きにくく洗いやすいのは全員に共通するメリットですし、二人暮らし以上ならフライパンを皿としてサーブできる点は非常に大きいです。
ただし、初めて自炊をする人が使う最初の一本としてお勧めしません。最初の一本は深型のフライパンにする事で、ステーキから炒飯まで幅広く使えますし、また初心者でも簡単にフライパンをあおる事ができるからです。
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